はっぴーらいふ

ラグナロクオンラインのギルメンや自キャラの徒然ストーリーやオリジナル小説など
榊とうるの創作小説ブログ

RO小説 BL注意  ある誕生日の風景

ある誕生日の風景
 
ある日のこと
「せくらさん!今夜はチョコレートケーキがいいです俺!」
ギルドメンバーの守門が急に言い出した。
「チョコレートケーキ?」
確かに今日の晩御飯当番は俺だけど
「急にケーキって言われても、材料はないぞ?」
俺がそう言ったら
「大丈夫です!材料俺揃えてきましたから」
差し出された材料は確かに、ブッシュドノエルの材料
「いいけど」
と答えれば、有難うございます!と大喜びだ
こいつ、こんなにケーキ好きだったっけ?
と思いながら、晩御飯にはケーキとケーキに会いそうなものを付け合わせて作る
「ありがとうございます!俺の好きな物ばかり作ってくれてうれしいです!」
「そうか、良かったな」
たまたま作ったメニューが、守門の好きなものだったらしい
それにしても、今日は随分と嬉しそうに食べるなあ
そんな風に思って守門の食べる様子を見守る
 
日も暮れてきて、ギルドメンバー皆が寝静まったころ、俺も一通りのかたずけを終えて一息つこうと、焚火のそばで座っている守門の横に座った
「かたずけ終わったんですね、お疲れ様です」
「あー、今日は材料がいろいろあったから、多く作りすぎちゃったなー」
ふああ、と欠伸をしながら空を見上げれば、月が頂点に差し掛かっていた
「そろそろ俺も寝ようかな」
俺がそう言うと、守門が、えっ?!と聞き返す
「なんだよ?」
と、怪訝なかおをすれば
「いや、あとちょっと、十分ぐらい一緒にいてくれませんか?」
「あと十分?」
首をかしげて聞き返す
「はい、あと十分したら俺の誕生日じゃないですか、やっぱり恋人に最初におめでとうって言ってほしいですし」
「……えっと、お前の誕生日なの?」
「はい!あれ?いってなかったでしたっけ?」
「……ん。いやっていうか、恋人同士?」
「はい」
「俺と、お前?」
「他に誰がいるんですか?」
静かに川の流れる音が響く
「えっと、いつから?」
「えっ?いつも言ってるじゃないですか」
「えっ?」
言われた覚えが全くない、とクエスチョンマークをとばしていると
「せくらさん、好きですよって俺言ってるじゃないですか?」
確かに言われている、こまごまとちょいちょいと言われているけど……
 
「えっ?!あれってそういう意味だったのか?!」
「ほかの意味のない単語だと思いますけど」
困ったように言う守門
「ちょっ。まって?いつから?!」
「いつからって、結構前ですよ、まさか自覚なかったんですか?」
「いや、うん。っていうかごめん、本当にいつから……」
 
 
どうやら、半年ほど前に守門が
『せくらさん、付き合ってください』
と言っていたらしい
そして俺は
『いいぞー?どこに付き合えばいいんだー?』
というベタな返しをしていたらしい。
 
「えっ…えええええっ?!」
ちょっとまって!
ちょっとまって!!
急に顔が熱くなる
「せくらさん?」
不思議そうに俺を見上げて聞き返す守門
「ちょっとまって!!!」
叫びながら俺は立ち上がり、思わずポタを開いてその場から逃げてしまった
 
だって
だって
 
ちょっとまって!!
 
だっていつから?!
そんなだったらもっとこう、あったじゃん!
 
だけど、なんか
そんなんで、ええええっ?!!!
 
 
一人テンパりながら俺は、夜のプロンテラの街を駆けまわった

RO小説 こんな狩りの日の風景

こんな狩りの日の風景
 
 
今日の俺たちは異世界フィールドに狩りにきている
最近新しいダンジョンがわんさか立ち上がっているのに、なぜ今になって異世界なのかって?
 
お小遣いかせぎですよ!
ってわけで、今日は異世界の西側フィールドの幼女たちと戯れていたのだが
ちょっと油断した
ぶううううううん!!!
という嫌な音。
 
はっ!振り返った時にはそこには巨大な蜂の姿があった
慌ててジュテックスを打とうと構えたが間に合わずそのおおきな針に刺されてしまう
「いってーー!!」
「せくらさん!大丈夫ですか!?」
直後に守門が踵を返し俺の元に戻ってくれて、巨大蜂は退治された
「いたた・・・」
咄嗟に身体から距離を保とうと出した腕を大きく刺されて見る間に腫れ上がっていく
「蜂の毒は強いなあ……」
とりあえずのヒールをかけて、毒消し草になるハーブか緑ポーションはないかと道具袋を漁っていると
「せくらさん蜂に刺されたんすか?!」
「ああ、ちょっとさされてさ、見てよこれ」
とパンパンにはた腕を見せれば
「ああー……痛そうですねちょっと待ってくださいね」
 
ああ、そうか。
こいつギロチンクロスだもんな、アサシン系は毒消しスキルがあるんだった
とおもい、スキルをかけてくれるのだと安心して
痛みにこらえながら目をつぶれば、カチャカチャと不審な音
 
「ん?」
ふと目を開けてしまうと、守門がズボンのベルトをほどき、ナニを取り出していた
 
「お前、何しようとしてんの?」
「え?!蜂に刺されたらしょんべん掛けろっていわれませんでした?」
「……俺にションベンかけるつもりなの?」
「はい!水分とってないんであんま出ないかもしれないですけどちょっとまっててくださ……」
最後まで言わせずに俺はジュテックスを放つ
そのまま自分はたまり場に戻り、ジェネの弟に毒消しを作ってもらえた
 
 
 
数時間後たまり場にて
守門の弟であるメカニックの天がたまり場の川ぺりでしょんぼりしている兄を見つけた
「あ、兄さん」
「あー天」
しょんぼりとしている兄に近づき
「兄さん聞いたよ、せくらさんにションベンかけようとしたんだって?」
「ちがうよ、ションベンかけるのはその過程でかていであって、せくらさんが蜂にさされたから治療しようとしたんだよ」
「兄さん、アサシンスキルの毒消し使えばよかったじゃない」
「!!!、その手があったか!」
今気が付いた!というような様子の兄をみて、天は大きくため息をつき
「兄さん、馬鹿なの?」
とつぶやいたとか。
 
 
 
※すみませんーー
勢いだけで書いたので意味不明か所多いと思います
守門ちゃんと狩りのときにこんなことありそうだよねってお話ししていてできた突発話でした!
 
 

RO小説 シリアス注意 『君に会えてよかった』1

そんなわけで、連載一日目!




ある、プリーストの話をしようか?


その人は、快活で聡明で、いつでも笑顔を絶やさないまるで、真夏の湖面に光が反映しているようにキラキラと輝いているような存在だった。

 さわさわと葉擦れの音が響く、それは枝ぶりの良い、大きな大木の一枝の上にその人は立っていた。
 ピンク色の法衣を身に纏い、大きく開いたスリットからは奇麗な足が覗いている。
流れるような腰まであるプラチナブロンドが風になびいては揺れている。
「よっと、……ううん、もうちょっと」
彼女はよろよろと枝沿いに足を伸ばしながら、その細い枝先にいる白い子猫に手を伸ばそうとしていた。
みゃあん とか細く鳴く声は小さく、助けを求めているくせに彼女が手を伸ばそうとすると、じりじりと後ずさる。
彼女が一歩足を進めるたびに、枝が大きくしなり彼女はバランスを崩しそうになっていた
「あーーー、気を付けてくださいよ!マーガレッタさん!!」
自分はその様子を、ハラハラとしながら見上げていることしか出来ない。
「もう、せくら煩い!集中してるんだから静かにして!子猫が逃げちゃうでしょう!」
声をかければ、怒られてしまった。
どう見ても、子猫が逃げているのは自分のせいではないのだが、そう言われてしまうと黙るしかない。
何か、クッションになるようなものはないのかと辺りを見渡すが、大聖堂のだだっ広い庭の一角である、柔らかい芝生の広がり以外には何もなく人も通る様子もなかった。
 そんな場所に、なぜ自分と彼女がいるのかというと、プリーストは日々の修行のほかにも様々な奉仕活動がある、自分たちのようなアコライトは毎朝自分を補佐してくれる先輩達から本日のお勤めという形で、朝奉仕の内容を言い渡されるのだが、本日の自分の受け持ちが、廃墟のように草が茂っているはずのこの広大な庭の草むしりだった。
アコライトの修行にももちろん奉仕活動にも真面目な自分は、先輩に渡された大きな籠を雑草で満タンにするべく、裏庭に向かえば奇麗に刈り取られた芝生の上でゆったりと聖書片手に昼寝をしている、先輩ハイプリーストのマーガレッタ・ソリンさんに遭遇してしまった。


この人の噂は、新入りのアコライトの中でも有名だった。
破天荒の問題児、だけど大聖堂で語られる様々な古い聖歌を歌い奇跡の御業を扱える数少ないハイプリースト
今はプロンテラ騎士団からの要望に応え凄腕の冒険者とパーティーを組んで様々なダンジョンの視察や探索に協力していると聞く。
そんなエリートともいえる彼女がなぜこんな処で涎を垂らして寝ているのか?
今日のお勤めはどうしたものだろうか?
この人は何でこんなところで寝てるんだろう?
様々な疑問が頭をよぎり、つい声をかけてしまった
「あの。ここで何をしているんですか?」


どうやら自分の声は彼女の耳に届いたらしく、その瞳が開かれれば、湖畔を移したような奇麗なグリーンの瞳が、自分を映していた。
「あれ?天国?」
寝ぼけたような彼女は、法衣の袖で口元から垂れていたよだれをふきながら辺りを見渡す。
「天国じゃないです、マーガレッタ・ソリンさん」
自分が名前を呼べば、彼女は目をパチクリとさせて聞いてきた。
「どうして君が私の名前をしっているの?君は誰?」
どこかで会ってたっけ?とこ首をかしげる彼女に、否定をする
「自分は、せくらっていいます。マーガレッタさんに直接お会いしたことはありません、初対面ですけど、マーガレッタさんのお噂は僕たちアコライトにも有名ですから」
「噂?」
かばっと起き上がりこちらを見つめる
「噂ってどんな噂?!」
破天荒で…と続けようとしたとき、子猫の泣き声が聞こえた。
マーガレッタさんはきょろきょろと周囲を見渡せば、その声は自分たちが今立つ大きなオークの樹の上からであった。
「あら、降りれなくなっちゃったの?」
彼女はそういうと、法衣のスカートの裾をまくる
「!えっ!!何してるんですか?!」
慌てて止めようとするが
「何って、あの子助けないと、きっと自分で降りられなくなっちゃったのよ」
言いながら、するすると彼女は木の上に登って行ってしまった。
そして、今現在である。
木の上で泣く子猫をつかんで、彼女はダイブした!
「ちょっ?!まあああああっ?!!!」
自分の悲鳴に似た声が裏庭に響き渡る。
まあ、結果から言うと彼女も猫も無事だった。
着地に失敗したものの、子猫だけは無事に助けて、擦り傷だらけになった彼女に自分は覚えたばかりの癒しの魔法をありったけかけた。
「ありがと、もう大丈夫だよ?」
本当にありったけの癒しの魔法をかけて、息切れしている
覚えたばかりのアコライトの癒しの技をかけてもらうより、自分でぱぱっとヒールした方がきっと痛みも回復も早かっただろうに、自分の癒しの魔法を止めることなく受けてくれた。
優しい人だと気が付いたのは、少し座って精神力が回復した頃
静かに黙って横に座る彼女に、なんとなく聞いてみたのは、本当につまらない事
「あの」
「ん?」
自分の問いかけに、彼女は小首をかしげて聞き返す。
「ここ、この場所。もっと草ボーボーで廃墟みたいになってたと思うんですけど
どうしてこんなに奇麗なんでしょうか?」
「ああ、ここは私の大好きな場所なの、私が大聖堂に入ったときからこっそり過ごす秘密の隠れ家みたいな場所で、この大きなオークの樹も私のお気に入りのお昼寝場所なの、数年ぶりにプロンテラに戻ったら草がたくさん生えてたから、ちょちょっと刈り取ってみたのよ」
と、法衣の袖から魔法を凝縮したスクロールと呼ばれる羊皮紙を見せてくれる。
そこには、風の魔法と大地の魔法、炎の魔法があり、多分風の魔法で雑草を刈り取り、炎で焼いて、大地に戻したのだと予想された。
「うん、だからせくらの仕事も今日はもう終わり、ねえ。それより聞かせて!」
「な、何を?」
「私の噂!アコライト君たちの中で、私はどんな風に噂になっているの?」

だから、そういうところが破天荒だって噂になっているんです……

多分自分はそう言った。
そういったはずが、言葉にならなかった。
何故なら……。



さわさわと響く葉擦れの音
瞼の上に落ちてくるはまぶしい朝日と、涼やかな川の流れる音で、意識が浮上する
ぼんやりとした視界に広がるのは、深い緑の木々
しかし、大きなオークの樹ではなく、まだ若い枝葉を連ねる小さな林と、すぐ側に流れるのは奇麗な小川の水
そう、ここは大聖堂の大きな裏庭ではない。
首都プロンテラから西に少しいった、郊外の川の側
初心者向けのダンジョンやカプラコーポレーションのサービスも受けられる小さな集落弛。
自分はここを拠点とする小さなギルド『はっぴーらいふ』のマスターをしている
アークビショップのせくら。
朝日を受けて柔らかく光るシルバーブロンドと空色の瞳、トレードマークの銀髪の上にふわふわと揺れるのはお気に入りの真っ白な天使のHB
「うーーーーん……」
軽く伸びをして起き上がれば、すぐ横で眠っていたギロチンクロスが目を覚ましたようで起き上がった
「おはようございます、せくらさん」
「ん、おはよう」
俺はそのまま目の前の小川に頭を突っ込んで顔を洗う
「ぷはーーーー!」
ぶるぶると頭を振り回せば、銀色の髪が水しぶきを飛ばした。
「もーせくらさん、何でそう大雑把なのかなあ」
見た目だけは人形みたいなのに
などと文句を言いながらタオルをわたしてくれたギロチンクロスは昔ノービス時代にうろうろしていた処を拾ったところ、いつもまにやら俺に追いつき追い越しして三次職のギロチンクロスに育ってしまった。
ギロチンクロスのくせに赤い髪に一房白髪、っていう派手な見た目の上目の色まで赤いっていう、忍気が全くない見た目の暗殺者。
「そういえば、せくらさん寝言言ってましたよ?」
「寝言?」
「あんまりよく聞き取れなかったんですけど、破天荒がどうとか?」
「破天荒……」
その単語で、先ほどの夢のワンシーンを思い出す。

ざざっとたまり場の木の葉が風になびいた。
まるで、夢の中のオークの幹が自分に囁いたように