はっぴーらいふ

ラグナロクオンラインのギルメンや自キャラの徒然ストーリーやオリジナル小説など
榊とうるの創作小説ブログ

ある母の日の風景

ある、母の日の風景


ギルドに新しいメンバーが入ってきた

AGI型前衛の騎士志望のクレスさん

金髪碧眼で、騎士という職業が似合いそうな雰囲気。

例のごとくギルマスのせくらさんがナンパしてきたのだけど 、連れてきたギルマスとは大違いの誠実で真面目な人


ギルドに入った成り行きを聞けば、せくらさんのお兄さん

経由での紹介らしい。

現在プロンテラ騎士団に入団するための準備中なのだとか。


私は何時ものように狩場で、クエストに必要なものを集めていたら

姉の息子のせつらが遊びに来た。

「どうしたのせっちゃん?」

何か言いたそうにもぞもぞする小さなアークビショップに私は声をかければ、彼は恥ずかしそうに私に聞いてきた。

「もうすぐ母の日なんだって、せくらさんがいってたお姉ちゃんならママの好きなもの知ってるかと思って聞きに来たんだけど、教えて?」

うわああ、可愛い

せっちゃんは姉の息子だけれど、自分の息子のようにも思っている。

可愛い可愛い甥っ子

「せっちゃっんがくれるものなら、姉さんはゼロピーでも喜ぶと思うよ?」

「ううん…でも折角ならママの役に立つもの贈りたいよ」

いいなあ、いいなあ

こんな可愛い息子が居たら。

姉さんがちょっと羨ましい。

そんな時ふっと頭を彼がよぎった

ギルドの中でそんなに目立つ存在ではないけれど、ちょっとした時にそっと支えてくれる。

彼は子供も好きだと言っていた。

そんな事を考えてたら丁度彼が溜まり場に来たらしい。

ギルドのエンブレムに表示が灯りギルドチャットで声をかけられた

『こんにちはー、あ。せつらくんもいたんですね』


『こんにちはクレスさん、今お姉ちゃんにママの欲しいもの聞いてたの』


『ママにプレゼントかあ…。』


クレスさんは暫く悩んでいるようだった。

私は彼がなんと答えるのかと待っていると、その答えは

『じゃあせつら君私と一緒に冒険に行きましょうか?

そこで手に入れた何かならきっとカコさんも喜んでくれますよ?』

それを聞いた私は飛びついた

『私も、ご一緒してもよろしいですか?!』


それから三人で狩りをした。

勿論三人のレベルは合わないから非公平なんだけど、すごく楽しくて

だから、つい口をついて出たんだ

「クレスさん、私と結婚しませんか?」

せっちゃんを見送りながら、溜まり場へ戻る途中の私の言葉

「へっ、えっ?!」

クレスさんは青い目を大きく開いて驚いて。

「あの、……はい。私で良ければ」

まるで夕日に溶けてしまうかのように真っ赤になったクレスさんが可愛かった。


そうしてギルドのメンバーに祝福されて、神父さんの前での誓いの言葉に何度も名前を噛んだりして、夫婦となってあれから数年

今はカリンちゃんを迎えて親子仲良く過ごせている。

そうそう、後になってギルマスから

クレスさんが私に一目惚れだったこと

姉の子供のせっちゃんを可愛がってる私を見ていて、せっちゃん込みで大事にしたいと思っている事などを聞いてやはり私の旦那様は世界一だと頷いていたら

カリンちゃんとせっちゃんからwisが来た

「「ママー、渡したいものがあるの溜まり場に来てー」」

私は愛おしい息子達の元にダッシュで向かう

可愛いアークビショップの息子二人が差し出してきたのは、画用紙に描かれた家族の絵とカーネーションの花束

カリンちゃんの絵には私とクレスさんとカリンちゃんとせっちゃん

せっちゃんの絵には、姉さんと私とクレスさんとせっちゃんとカリンちゃん

どちらの絵にも私とクレスさんと二人の兄弟が描かれていて、嬉しくなった私は

彼らをそっと抱き寄せた


そんな小さな川べりの、ある日の母の日の風景

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